韓国企業への攻撃が原因 バッファローのファイル改ざん
パソコン周辺機器大手バッファロー(名古屋市)が同社製品の利用者に配布した製品更新ファイルにウイルスが混在していた問題は、ファイルの配信を代行するKDDIグループの韓国企業がサイバー攻撃に遭ったことが原因だと3日わかった。5月下旬にはエイチ・アイ・エス(HIS)などがこの影響でウイルスを配布してしまっており、他の日本企業にも広がる可能性がある。
大容量データの配信を代行するコンテンツ配信網(CDN)の韓国大手シーディーネットワークス(ソウル市)の日本法人、シーディーネットワークス・ジャパン(東京・新宿)がサイバー攻撃に遭ったと公表。CDNのファイル配信の追加サービスを使う日本企業のウェブサイトが改ざんされたという。
原因の詳細や被害に遭った企業名は公表していない。バッファローは直接、HISはリクルートマーケティングパートナーズ(東京・千代田)を通じ同サービスを利用していた。
今回のウイルスは銀行のネットバンキングを使おうとすると偽の画面を表示してログイン情報を入力させる。攻撃者は入力情報を悪用して不正に送金する可能性がある。
米情報セキュリティー大手シマンテック日本法人(東京・港)の浜田譲治セキュリティレスポンスシニアマネージャは「攻撃者は2月にも同じ種類のウイルスで日本を狙った攻撃をしかけたと推測できる」と話す。パソコンのソフトを最新版にする、ネットバンキングの利用に注意するなどの自衛が引き続き必要だ。