ホームレスの男性に密着取材したNHKの番組で、首筋や袖口にも刺青を覗かせた青年が、「刺青をしている人が全て悪人ではないと知ってもらいたくて、善行を心がけている」と語っていた。確かに日本ではまだ、刺青は極道などと結び付けて考えられるんだろうなと思い、文化の差を感じた▼ブラジルでの刺青は、おしゃれや意思表示の一つでもある。中には、自殺防止月間にちなんだ図柄を選び、刺青代をキャンペーンに寄付するケースや、一定の図柄の代金を動物愛護団体に寄付する刺青師もいる。また、緊急時用に、糖尿病患者である事や血液型を刺青で示す人や、ひいきのサンバチームのロゴや恋人の名前などを入れる人もいる▼無論、刺青を入れるには年齢制限もあるし、インクの質なども問われる。また、刺青をしている人は採用しない企業や職種もあるから、ブラジルも諸手を挙げて刺青賛成といっている訳ではない。一度入れた刺青は容易にはとれないから、入れる前