東京電力福島第一原発で、高濃度汚染水を処理した後の水をためるタンクが、増設のスピードを優先して溶接しなかったため耐久性が劣り、三年後には続々と大改修を迫られることが分かった。敷地内にタンクを増設する用地がなくなる時期とも重なる。処理水には除去が極めて難しい放射性物質も含まれ、このままでは、またも汚染水の海洋放出という事態を招きかねない。 (小野沢健太) 処理水タンクは、帯状の鋼材をボルトでつなぎ合わせて円筒形にし、内側に止水材を施し、鋼材のつなぎ目はゴム製のパッキンを挟んで締め付ける構造。一千トン級の大容量タンクだが、一週間ほどで組み立てられる。溶接をして頑丈に造るより短期間で済むため、急増する汚染水処理をしのぐためには好都合だった。 しかし、東電が「仮設タンク」と呼んでいたことが示す通り、長期の使用を想定していなかった。当初は二〇一一年度中におおむね汚染水処理は終わる予定だったが、現実に