◇「人は間違うもの」 だから、自分の中で人生を総括するしかない オウム真理教(アレフに改称)による松本サリン事件の被害者でありながら容疑者扱いされた河野義行さん(59)と、事件に関与した元幹部との間に交流が生まれたという。人は自分を傷つけた人間を許すことができるのだろうか。河野さんの心を知りたいと訪ねた。【小松やしほ】 ◇庭木の手入れ、自宅宿泊「許し」 元服役囚と交流「友達のような感じ」 初めて会ったのは06年6月26日だったという。その人は藤永孝三さん(48)。藤永さんは、94年6月の松本サリン事件でサリンの噴霧車を製造したとして、殺人ほう助罪に問われて懲役10年の刑が確定した。06年3月に刑を終え出所。獄中で河野さんの手記を読み、おわびしたいと、妻澄子さんの見舞いにやってきたのだった。 「加害者だからうんぬんという感情は持っていません。やってしまったことはしかたない。元には戻らないので