危険負担(きけんふたん)とは、売買などの双務契約において、自己の責めに帰すべき事由によらずに債務が履行できなくなり債務を免れた当事者(債務者)が、相手方(債権者)に対して反対給付を行うよう請求することの可否に関する問題[1]。双務契約の存続上の牽連関係(けんれんかんけい)の問題である[1]。 危険負担がどのような場合に問題になるのか、2つの事例に沿って見ていく。 歌手であるAはBが主催するイベントに100万円で出演する契約を結んだ。このときAはBに対してイベントに出演するという債務を負っており、BはAに対して100万円の代金支払債務を負っている。ところがイベント当日になって台風でステージが倒壊し、イベントを行うことができなくなってしまった。 AはBに軽井沢の別荘を3000万円で売却する契約を結んだ。このときAはBに対して別荘の引渡債務を負っており、BはAに対して3000万円の代金支払債務を