「アウトサイダー・ウェブデザイン」あるいは「ロードサイド・ウェブデザイン」。トレンドからは大きく外れた、デザイナーとは異なる文法によって構築されたいくつかのウェブサイトを、多大なリスペクトとともにいくつか集めてみた。どのサイトも、まるで「野菜炒め頼んだらおまけに餃子ととんかつとフルーツパフェ(しかもおかわり自由)がついてくるサービス定食」みたいな、「過剰なおもてなし感」で満ち溢れている。その過剰なデザインの後ろには、我々が見落としてしまったたくさんのヒントや、別の進化の方向性が隠されているような気がする。 アウトサイダー・アート(英: outsider art)とは、特に芸術の伝統的な訓練を受けていなくて、名声を目指すでもなく、既成の芸術の流派や傾向・モードに一切とらわれることなく自然に表現したという作品のことをいう。 フランスの画家ジャン・デュビュッフェがつくったフランス語「アール・ブリ
地下が好きだ。 ぼくが中学生のころゲームブックというものがはやっていて、ぼくもはまっていた。で、好きが高じて大手町の地下をダンジョンに見立てたシナリオを自分でつくったものだ。 つまり当時からぼくはどうかしていたということだ。なんだよ「大手町ダンジョン」て。 (大山 顕) 名付けて「カジュアル地下」 自分の子ども時代をふり返って恥ずかしい思いをするためにこの記事を書こうと思ったのではない。そうではなくて、地下ってなんだかたのしいよね?ぼくだけじゃないよね?ということがいいたいのだ。 「地下っておもしろい!」っていうと、大深度地下とか、ふだんは入れない地下の施設とか、かつての軍事施設の遺構とか首都圏外郭放水路とかの話が多いんだけど、正直そういう非日常の地下にはあんまり興味がない。まあ、外郭放水路はすごかったけども!
新年が明けて2週間経っていますが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 さて、新年をむかえて行う伝統的儀式にはさまざまなものがあるが、ひさしくやってないのが「書き初め」だ。小学生のころは何度かやったけど、大人になってからは一度も書いてない。 ひとつ今年は描き初めてみよう。 みんなで。 地上に。 (大山 顕) GPSロガーで街に絵を描く「GPS地上絵」ふたたび 書いてて思いだしたけど、書き初めきらいだったなー。書き初めがきらいというより、習字が。墨汁と筆のハンドリングの悪さが。あとあのみょうに薄っぺらい紙。厚手で頼むよほんとにもう。 で、今回の「描き初め」は抱負を字で書く、ではなくウサギの絵を描くというもの。 もちろん筆でではない。GPSロガーを使って地上に描くのだ。そう、昨年夏に馬込に馬の絵を描いたのと同じ手法だ。
日本最後の清流と名高い、四万十川。それは高知県西部、津野町の山中に端を発し、中土佐町、四万十町、四万十市を通って太平洋へと注ぎ出る。その距離、およそ196km。 地図帳を開き、ぐねぐねと蛇行を繰り返す四万十川を指でなぞりながら、私は思った。この四万十川を河口から源流まで、遡ってみる事はできないだろうか。 少し調べてみた所、これが何とかなりそうだ。というワケで、7月の3連休を利用して、四万十川に行ってきた。 (木村 岳人) 河口から中江崎までは自転車で これまで何度か言ってきた事を繰り返すようで恐縮だが、私は自動車免を持っていない。故に今回もまた、公共交通機関、および己の身体のみを駆使して行かねばならない。 幸い、河口付近の土佐中村までは土佐くろしお鉄道中村線が通じており、さらに中村ではレンタサイクルを借りることができる。しかもこのレンタサイクル、四万十川を上ったその先、JR予土線の中津川駅
気持ちを落ち着かせる効用 上から下に何かが落ちる様子を眺めることは、人の気持ちを落ち着かせる作用がある。と、どこかで聞いたことがある。 たとえば、雨。 滝。 花や葉っぱが舞落ちる様子。 パチンコに熱中する人が多いのも、そのギャンブル的要素だけでなく、実はカツンカツンと釘にぶつかりながら玉が落ちる様子を見るのがみんな好きだから、というのがたぶんある。 もっとも、パチンコ屋は音がうるさいから私にとっては落ち着ける場所ではないが、もし川のせせらぎが聞こえるような静かなパチンコ屋があったら、それはものすごく落ち着けるスポットかもしれない。 また子供用の玩具においても、カタカタと人形やビー玉が上から下へと落ちてくる仕掛けおもちゃは昔からある定番だ。
僕がダムをめぐりはじめた10年前と比べると、ダムに興味を持つ人は確実に増えてきた。 一見ふつうの女性たちが、会話の中に「あのダムは重力式だから...」なんて挟むのを聞くこともあって、本当にびっくりする。でも、たとえばニュース番組で映る八ッ場ダム建設現場に造られている橋脚をダムだと思う人がいたりするのを見ると、意義や是非はともかく、形式や構造はまだまだ一般に浸透していないと思う。 本当は義務教育過程に入れてほしいのだけど、それも待っていられないので、誰にでも分かる方法でダムの形式と構造の解説をすることにした。 (萩原 雅紀) 「ダムとは」というおさらい 誰にでも分かると書きつつ、まず最初にダムの構造の基本を説明しなくてはならない。興味がない人にはさっぱりかも知れないけど、ここさえクリアーすればすぐ本題に入るので、がんばって読み進めてください。 ものすごく大雑把に書くと、ダムとは如何にして水を
2002年ころ、ウェブサイトに端を発して廃墟歩きが流行した。そして現在、工場やビル、巨大建造物などを扱ったサイトから次々に書籍やDVDが生まれている。5年の時を経て、再びウェブから、マニアな世界に親しむムーブメントが起きようとしているのだ。 その「建造物ブーム」の急先鋒といえるのが「ダムサイト」だ。 7年以上続く老舗サイトで、管理人自らが赴いて記事にしたダムは全国で合計180基に及ぶ。顔が見えるインターネット第12回は、「高い所は苦手だけど、ダムの上だけは下をのぞいても平気です」という管理人・萩原雅紀氏に、ダムの魅力を語ってもらう。 2000年9月から運営しているダム専門サイトの先駆け。ダムのレポートだけでなく、専門用語集や基礎知識もまとめており、ダムについて一気に詳しくなれる。自サイトで企画した読者参加の「ダム巡りツアー」がさまざまな媒体で取り上げられたのをきっかけに、DVD「ザ・ダム」
「オタリーマン」がいるのなら、オタク官僚=オタクラートがいたっていいはずだ。32歳の経済産業省職員にして自称アニオタの三原龍太郎が、日本産コンテンツの海外展開を中心に、クール・ジャパンのあり方を考える。ただし、ここでの内容は筆者個人の見解であり、筆者の所属する経済産業省の見解ではない。筆者の「本業」もアニメとは無関係なのである。 「クール・ジャパン」は日本国外の目からはどのように映っているのだろうか? そのような問題意識の下、今回は、マサチューセッツ工科大学のイアン・コンドリー(Ian Condry)准教授にお話を伺った。 コンドリー博士は日本文化とりわけ日本のポップカルチャーを専門に研究する文化人類学者。アメリカにおけるアニメを始めとした「クール・ジャパン」研究の第一人者と言えるだろう。GONZOなどの日本のアニメ制作スタジオでフィールドワークを行い、その成果が研究書として近刊予定だ。
自身のサイトで盟友・長野氏とともに団地を鑑賞するフィールドワークを展開する傍ら、@niftyのエンタメ系情報サイト「デイリーポータル Z」(以下、DPZ)では、陸上にあるテトラポットや、デパートで裸のままにされたマネキンなどに注目し、読者に新しい価値観を提供し続けている。 風変わりな趣味に、エキセントリックな人物像を思い描きがちだが、実像の大山氏はいたって理性的だ。「身の回りにある面白いモノの『入り口』を紹介することだけに興味がある」と語り、そのアプローチの手段は確かに「オタク的」ではなかった。顔が見えるインターネット第13回は、高島平団地を歩きながら、そんな大山氏の思考回路を探ってみた。 2000年からスタートした、団地ブームの始祖といわれるウェブサイト。カタログ風の体裁で全国の団地を紹介しているが、そのコメントの関係なさっぷりが好評を博している。同サイトからDVD「団地マニア」(エイベ
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