田んぼでカモに除草を助けてもらう「合鴨農法」が日本で広がりつつあるが、成長した鴨をハムや生肉として販売する動きが出てきた。フランス料理でもよく使われる鴨肉は鶏肉にはない風味があり、合鴨農家の間では「カモとコメの『二毛作』で収益をあげていきたい」と期待が高まっている。 このほど、椎名人工孵化場(千葉県横芝光町)と、吉田ハム工場(静岡県吉田町)が提携し、鴨肉ハムの加工・販売を始める。最初の1―2年は、親ガモをハムに加工して、流通ルートを確立する。その後、合鴨農法で育ったカモも農家から買い上げて、このルートに乗せる計画だ。 同孵化場では、食肉用と合鴨農法用、それぞれに適した種類のカモを出荷している。出荷するのは、いずれも「ひな」だ。卵を産まなくなった親ガモは規格がそろわない上に、硬くて食用に向かないとされる。 食肉に加工する大規模なルートが存在しないため、主に工業用油にされてきた。年間70