同社では、新設されたマーケティング本部が書店営業や広告営業、宣伝や広報はもとより、編集局までも事実上統括する仕組みとなっている。経営トップが直接マーケティングにコミットしつつ、全社の様々な機能がマーケティングの観点から再編成されたと解釈できる。シンプルな理想型を具現化した組織体系ではないだろうか。 桜田氏はこう語る。「マーケティング会議発足前は、社内にマーケティングの『マ』の字もなかったし、編集も営業もそれぞれの役割を全うするプライドがあったはずです。会議という段階を経ないで、いきなりマーケティング本部ができたとしても、決してうまく機能しなかったでしょう。これまで活動してきた成果が全社的にも認知され、理解を得たからこそ、今の体制が実現できたのだと思います」。 会議体だけ作ってみても…… 一方で、桜田氏はこんな警鐘を鳴らす。「単に会議体という仕組みだけを作っても、うまくいくとは限りません」。