カカオ農園はなぜ貧しいままなのか。「アカデミー・オブ・チョコレート2017」ブロンズ受賞で思うこと。 コラム・レポート カカオ生産者の収入向上をはばむ、構造的な問題。 インドネシア、パプア州のカカオ生産者の朝は早いです。 日の出とともに裏山の農園に向かい、カカオの実をひとつひとつナタで切り落として採集します。 電気は通っているものの、中心地でも発電量は十分ではなく頻繁に停電(行政は計画停電と言いますが、パプアの人はランダムに起こる非計画停電と口を揃えます)になります。 中心地を離れた村では、夕暮れになると薪で火をおこして夕食の支度をする煙が、あちこちから立ち昇ります。 こんなのどかな農園風景で穏やかに暮らす生産者も、生活環境を改善していきたいという“ごく普通の向上心”を持ち合わせています。 しかし、その目の前に壁として立ちふさがるのが、カカオをめぐる「不都合な真実」です。 カカオ生産者が収
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