憎悪の母グマと格闘「意識飛ぶかと」 山野井さん生還記2008年10月15日13時8分 印刷 ソーシャルブックマーク クマに襲われた現場で格闘の様子を再現する山野井さん。谷(右)側は急斜面で落ちていれば生還は難しかった ベテラン登山家でも、山でクマに出合うことは少ない。ましてやクマと格闘したケースは珍しい。世界的な登山家、山野井泰史さん(43)がそんな恐怖体験をした。顔面と右腕に計90針縫う重傷を負いながら「奇跡の生還」をした本人と現場を訪ねた。 9月17日午前7時、山野井さんは、奥多摩湖を望む高台の自宅を出た。倉戸山(1169メートル)周辺の山道を駆け抜けるトレーニングが目的だ。 自宅から約600メートルのところで散策道に出た。幅1メートルと道幅も広くなり傾斜も緩い。さらに約200メートル進むと、動物の食害から桜の苗木を守る高さ約1.8メートルの鉄製ゲートがある。扉を開けながら山野井さんは