説明させてください 私が7、8歳ぐらいの時。 ちょうどこの頃 家族で食卓を囲み晩御飯を食べていると、6歳上の兄が妙なことを始めた。ご飯の入ったお茶碗をブンブンと回し始めたのだ。 バラバラだった米粒は徐々にまとまり始め、それがお茶碗の縁に当たるたび「ピタピタピタ…」と音を立て塊と化していく。何かに取り憑かれたように、一心不乱に茶碗を回し続ける兄。10分近く経っただろうか?茶碗の中の塊は、いつしか真っ白で真ん丸の白い宝玉となっていた。 米は回し続けると宝玉になる…。幼い私は心底驚いた。そして当然叫んだ。「僕のもやって!」。しかし兄からの返事はこうだった。 私は泣いた。体中の水分がすべて失われるくらい、全力で泣いた。どれだけお願いしても、兄は決して首を縦に振ることはなかった。 自分事としての飯丸め あれから30年以上が経ち、私は44歳になった。兄はこの日の出来事をまったく覚えていないという。一方