◇想像力はぐくむ語りかけを--中川李枝子さん(73) 40年以上愛され続けている絵本「ぐりとぐら」(福音館書店)は、児童文学作家の中川李枝子さん(73)が保育士だったころ、子どもたちに語り聞かせるために作った物語だった。当時の思い出や最近の子どもへの思いなどを聞いた。【聞き手・木村葉子】 もう50年以上前、駒沢オリンピック公園(東京都世田谷区)がまだ広い原っぱだったころ、すみっこに小さな保育園がありました。子どもは30人くらいで、園長以外の先生は私だけ。園長からは「子どもが喜んで登園し、一人も休まない楽しい保育をしてほしい」と言われました。 どうしたら喜ぶか、子どもを一生懸命、観察しました。創造性豊かな子は、何もない原っぱでもいつまでも遊べる。でも、想像力が貧しい子は遊べません。子どもを上手に遊ばせるには、想像力をはぐくむことだと気づきました。お話や絵本など、原っぱにないもので育てようと。