人工衛星で観測したグリーンランドの氷。白は解けていない氷、濃いピンクは解けた場所、薄いピンクは解けた可能性のある場所。ピンク色の面積の割合は、7月8日(左)の40%から、12日(右)には97%へと急拡大した=NASA提供 【ワシントン=中島達雄】グリーンランドの地表を覆う氷床の表面が、7月半ばにほぼ全域で解けたことがわかった。 米航空宇宙局(NASA)と米ジョージア大などの研究チームが三つの人工衛星による観測で確認し、24日発表した。30年以上にわたる衛星観測で例のない融解規模で、海面上昇などにつながる恐れがないかどうか、研究者らは注意深く見守っている。 グリーンランドの氷床は毎年夏、表面全体の半分程度が解ける。融解した面積の割合は、7月8日の段階では40%だった。ところが、4日後の同12日には97%に急拡大。標高3200メートルの頂上付近の氷も、1889年以来約120年ぶりに解けた。5月