沖縄県民への誠意のアリバイ作りのためにか俄(にわ)かに招集した全国知事会で、鳩山総理は折から起こった北朝鮮による韓国哨戒艦の撃沈事件を捉(とら)えて沖縄における米軍基地の必要性を説いてみせたが、その席で私は他国の安危のためよりも、アメリカが基地を占めている当の日本の防衛のために彼等が本気で動くかどうかを、折角のこの普天間騒動の際、政府の責任で改めて確かめてもらいたいと説いた。 今さら何をと思う者も多かろうが、実は日米安保条約なるものがとんでもない虚構の上に成り立っているのかも知れぬという疑念を私は拭(ぬぐ)いきれないでいる。多くの国民は忘れたというより知りもしまいが、十五年前アメリカは当時の駐日大使モンデールを突然更迭せざるを得なかった。その訳は香港の活動家と称する実は中国の軍人が尖閣諸島は中国の領土だと主張し尖閣の魚釣島に無断上陸し中国の国旗を立て駆けつけた保安庁と衝突し退去する際、隊員