有料か、無料か。市民向けの法律相談を巡り、全国の弁護士会が揺れている。 各会の相談窓口は市民と弁護士をつなぐ役割を果たしてきたが、公設の日本司法支援センター(法テラス)が無料相談を始めたことで、相談件数が激減した。無料化や値下げに踏み切る弁護士会も現れたが、「収入が減ってしまう」と二の足を踏むところが多い。司法制度改革で弁護士が増えるなか、各会は頭を悩ませている。 「弁護士の敷居を下げ、法律サービスの裾野を広げることにつながっている」。昨年10月、全国初の無料化を実現した札幌弁護士会の佐藤昭彦元副会長は、手応えを感じている。 同会が1回5000円の相談料を無料にしたところ、毎月数十件程度だった金銭トラブルや相続などの相談件数は約3倍に増えた。 同会への相談件数は、ピーク時の2007年度に約1万5000件あったが、前年に法テラスが収入の少ない人向けに無料相談を始めると減り始め、12年