忙しい方のためのサマリー 新品種できるまでに1/1,000,000の選抜強度は当たり前。 近代的な育種によってトウモロコシの収量は1920年代の200 kg/10aから1.2 t/10aへと6倍になった。ダイズやイネでも20世紀後半の育種で大幅な収量増が可能になった。 近代育種の目指すところ 農業生産資材としての種苗が在来品種だった時代には、現在の先進国においても「種子は農民の物」という主張も妥当だったし、参加型育種(PPB)が行われている途上国においても在来品種やPPBによる品種は農民のものという主張は恐らく妥当だろう。しかし、既に述べたとおり、近代の植物の育種は、農民ではなく公的機関や民間の事業者によって専業的に事業として行われてきた。こうなると、種子というものは買い取った農民のものであるけれど、生産性にかかわる「品種」としての特性は育種事業者の知的財産であるという二重性があらわれてく