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やさしくない公共(上) 街は悪意に満ちている 「最悪いす」の意味:連載 : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
そのベンチは「最悪いす」と呼ばれている。肘掛けが付き、一人分のスペースに仕切られ、傍らには荷物を... そのベンチは「最悪いす」と呼ばれている。肘掛けが付き、一人分のスペースに仕切られ、傍らには荷物を置く台もある駅のベンチ。一見、座る人に配慮している。でも…。 「最悪」と名付けたのは貧乏旅行を好む旅人たちだった。ろくに宿にも泊まらず、夜汽車で移動し、時に無人駅で寝る。1990年代の初め、そんな旅行者を閉め出すかのように、ベンチに肘掛けが付き始めた。これでは横になれない。 「嫌な感じですよねえ」。各地を旅しながらミニコミ誌「野宿野郎」を編集している横浜出身の野宿愛好家・かとうちあきは言う。「でも、無理やり体をはめ込んで寝てる人もいますね。克服しているようで、ちょっとうれしい」。旅人は静かに闘っている。 ◇ 建築史家の五十嵐太郎・東北大大学院教授は、肘掛け付きベンチのような存在を「排除オブジェ」と捉え、背景にある「排除の思想」を読み解く。例えば、駅や公園にある奥行きの狭い腰掛けは、長時間
2014/01/12 リンク