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カズオ・イシグロ「私はなぜ『日の名残り』を4週間で書けたのか」|世界的作家の「創作の秘密」 | クーリエ・ジャポン
どんな思い切ったチャレンジが、あの感動的な傑作を生み、作家を大きく飛躍させたのか。27年前の秘密の... どんな思い切ったチャレンジが、あの感動的な傑作を生み、作家を大きく飛躍させたのか。27年前の秘密の試みを、世界中に愛読者を持つカズオ・イシグロ氏が、英紙への寄稿で明かす。 長時間労働が要求される仕事は多い。しかし小説の執筆となると、4時間程度で収穫逓減が始まるということで大方の意見が一致しているようだ。 私自身、基本的にそういう考えだったのだが、1987年の夏が近づいてきた頃、このアプローチをがらりと変える必要を強く感じるようになっていた。妻のローナも賛成した。 その5年前に仕事を辞めて執筆に専念して以来、安定した仕事のリズムと生産性を比較的うまく維持できていた。 しかし、2作目の小説が成功を収めると、気の散ることがいろいろと舞い込んできた。キャリアにプラスになるという触れ込みの企画やディナーパーティへの招待、魅力的な外国旅行や山のような手紙。 それで「本業」に専念できなくなってしまった。
2017/10/11 リンク