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独断のまどろみ : 池田信夫 blog
2007年12月29日14:55 カテゴリ経済 独断のまどろみ 今年を振り返ってみると、私の思考の「軸」が少しず... 2007年12月29日14:55 カテゴリ経済 独断のまどろみ 今年を振り返ってみると、私の思考の「軸」が少しずつ変わってきたような感じがする。去年までは情報産業で起こっている変化を在来の経済学の分析用具で理解しようと考え、博士論文ではできるかぎりやってみたが、それ以上は非常にむずかしいということがわかった。現在の経済学には、もともと情報の概念が入っていないからだ。「情報の経済学」と称するものも、情報が非対称で一方だけがリスク回避的だという特殊な条件のもとでの最大化問題にすぎず、ほとんど実用にはならない。 これは歴史的にいうと、20世紀はじめに社会科学が経験した「言語論的転回」を、経済学だけがいまだに経験していないということだ。すべての現象は言語化された差異の束である、とソシュールが講義したのはちょうど100年前。それを継承したヤコブゾンやレヴィ=ストロースなどが社会科学の全体像をすっかり