「シンギュラリティはSFめいた話だ。そもそも“知能”が何を示すのか、定義せずに語っても意味が無い」──人工知能学会の野田五十樹会長は、10月28日に開催された「第1回 AI・人工知能EXPO【秋】」(幕張メッセ)の特別講演で、現実の研究からかけ離れた“AI”のイメージを否定した。 【画像】人工知能学会がまとめている「AIマップ」 野田会長は「ディープラーニングは万能の関数近似ツールである」ともいう。これまでのAI研究の歴史と、今のAIの研究テーマについて野田会長が解説した。 AIが目指していたのは「神経系の模倣と知能の再現」 近年の人工知能ブームは「第3次AIブーム」と呼ばれている。ディープラーニングなどの技術が注目されているが、広い意味の「AI」はより幅広く、長い歴史を持つ。 人の能力を機械で置き換えるという意味の「AI」を作る試みは古くからさまざまな形で試みられてきた。人の計算能力を代