(英エコノミスト誌 2009年11月21日号) 金利を低く抑える中央銀行が間違っているのか、それとも回復を予想する市場が間違っているのか。どちらか一方しかあり得ない。 高リスク資産の相場上昇は、下り坂を走るトラックのように、止めるのが難しいことがはっきりしつつある。良い経済ニュースは、景気回復の足取りが強いことを示しているため、株価を上昇させる。ところが悪い経済ニュースも株価を上昇させる。それは、中央銀行がゼロ近辺に金利を据え置くことを示唆しているためだ。 恐らくこうした低金利が、投資家により高いリターンを求めて現金を投資に回すことを促し、相場上昇の主な原動力となってきたのだろう。だが、それ以外の要因も作用してきた。アナリストが景気回復の恩恵を想定し、企業収益予想が着実に上方修正されてきたのである。 コスト削減で利益率を高める企業 これは、売上高よりもむしろ利益の回復だった。モルガン・スタ