「若者を中心に人気を集めるかばんブランド『一澤帆布』に、お家騒動が起きている」。そんな話が出たのは昨年12月のこと。1905年に京都に創業した老舗のメーカーながら、京都大学の学生や修学旅行で京都を訪れる中高校生などの間に口コミで人気が広がり、今ではすっかりファッションアイテムのひとつとして全国区の人気を獲得している「一澤帆布」だけに、お家騒動の勃発は世間の注目を集めることになったなりね。 お家騒動の内容はこうなり。2001年に他界した先代の一澤信夫前会長が残した「一澤帆布工業」の約10万株の相続をめぐって兄弟同士が争いを繰り広げ、裁判沙汰にまで発展。主な登場人物は上から信太郎氏、信三郎氏(一澤帆布工業社長=当時)、喜久夫氏で、先代の遺言書には株の5分の4(約8万株)を信太郎氏に、5分の1(約2万株)を喜久夫氏に相続する、といった内容が記されていたなりが、2001年時点ですでに社長を務めてい