Vol.90-4 iPad Pro 2020年モデルの最大の特徴は「LiDAR」を搭載していることだ。本連載で解説したように、LiDARは距離を測る「ToFセンサー」の一つ。ToFセンサーは別にAppleの専売特許ではなく、多くのハイエンドスマホへと搭載が進んでいる「トレンド機能」の一つだ。 ただ、他社は主にカメラ性能向上のために使っており、アプリ側で自由にToFセンサーを使える仕組みをあまり整えていない(シャープはAQUOS R5GのToFセンサーをARで使えるよう、準備中とされている)。 一方でAppleは、最初からセンサーをアプリ開発者に開放した。AppleのARフレームワークである「ARKit」に組み込み、開発者が新しい機能を簡単に使えるように配慮したのである。それだけでなく、ARKit自体をLiDAR対応にアップデートしたことにより、アプリを作り替えなくても、LiDARの立体把握