商店街の状況はどこも厳しい。特に地方都市では自動車による移動や夫婦共働きが一般化し、日常生活で必要なものを週末にまとめて郊外の大型ショッピングセンターで買う人が多い。このショッピングセンターには飲食店や娯楽施設もあり、多くの人がそこで長い時間を過ごす。この生活様式の変化から、街中にあるどこの商店街も人影が少なくなった。商店の多くは後継者がなく、廃業してしまう経営者も多い。 商店街も手をこまねいているわけではない。商店間で協力してイベントを企画し、集客に向けた努力をしているところも多い。しかし、多くの商店街で客数が減少し続け、そこに新規に出店するのはコンビニかチエーン飲食店がほとんどだ。 今回、松江市にある商店街で、大手コンビニチェーンに入ることを頑なに拒み続ける一軒の小さな酒店「ミッドナイトスギタニ」の取り組みを紹介する。酒屋はかつて自由に開業することができなかったが、今は規制改革も進み出