2022年7月18日に日本で採択された「IFLA-UNESCO公共図書館宣言2022」には,“公共図書館のサービスは,年齢,民族性,ジェンダー,宗教,国籍,言語,あるいは社会的身分やその他のいかなる特性を問わず,すべての人が平等に利用できるという原則に基づいて提供される”と明示されています1)。このようにあらゆる人々が自らの障害や特性,文化的・民族的多様性によらず情報を入手できる仕組みは,インフォプロの目指すべきところであると考えられます。しかし,現実には対応が追いついていない情報機関も少なからずあるものと考えられます。 そこで本特集記事は「あらゆる人々に情報を届けるために」と題し,図書館利用に障害がある方へのサービス(障害者サービス),多様な文化的背景を有する方に対応するサービス(多文化サービス)を取り上げます。 まず,特定非営利活動法人支援技術開発機構の河村宏様に,視覚障害者等の読書環