優しい音楽 駅のホームで突然見知らぬ女性・千波から声をかけられたタケル。それがきっかけで付き合うようになったふたりだが、彼女はタケルを家族に会わせたがらない。 それには彼女の悲しい過去が関係しているのだけれど… 『春、戻る』と同じく不思議な展開で始まる『優しい音楽』もまた、読み進めると切なくも温かい展開になっていきます。 物語を最期まで読むと、タイトルの意味がわかります。タケルが千波の家族を思いやる姿に『賢者の贈り物』を思い出しました。 お寿司の食べ方みたいな何気ない生活習慣の違いに驚いたり、家でだらだら過ごしたりする恋人達の日常の様子にほっこりします。 タイムラグ 不倫中の彼、平太の娘を旅行中預かることになってしまった深雪。平太の娘・佐奈に「お願い」されて、母親との結婚のことを許していない祖父のところへ説得をしに乗り込むことに。 途中まで「平太(不倫中の男)はなんて嫌な奴だ!」と思ってい