共役ジエンへの付加反応 共役ジエンは共役していないジエンよりも安定なだけではない。共役ジエンの付加反応は特殊な反応を示す。例えばbuta-1.3-dieneに臭化水素を付加させると3-ブロモブタ-1-エンと1-ブロモブタ-2-エンの二つの化合物を得ることができる。 反応するときの温度が低温(-80℃)であるなら生成物は1,2-付加が主であり、1,2-付加物が約80%、1,4-付加物が約20%の割合で生成する。 反応温度を高く(40℃)にすると今度は主な生成物が1,4-付加になる。このとき1,2-付加物が約20%、1,4-付加物が約80%の割合で生成する。 温度によって生じる反応性生物の割合の違いは、反応速度と最終生成物の安定性によるものである。つまり、1,4-付加反応よりも1,2-付加反応の方が反応速度が速い。しかし最終生成物は1,4-付加物の方が安定である。下にエネルギー図を示す。 図を