ベンチャーが成功する確率は,よく「せんみつ(1000社に3社)」という言葉で表現される。文字通り新たに開業した企業のうち0.3%しか生き残れないという意味であり,起業家として成功を収めることの難しさを表している。「これから起業したい人へアドバイスをするとしたら『やめておけ』と言います。アイディアやタイミングがよほど良くないと成功しませんから」。そう話すのは,サイボウズの青野 慶久氏だ。 青野氏は1997年に,高須 賀宣氏(前サイボウズ代表取締役)や畑 慎也氏(現サイボウズ・ラボ代表取締役)と一緒に「サイボウズ」を設立した。サイボウズは,グループウエア「サイボウズ Office」や「サイボウズ ガルーン」がヒットして順調に成長。2006年には東証一部上場を果たした。数少ない成功例となったのである。 青野氏は大学を卒業して松下電工(現パナソニック電工)に入社後,わずか3年で辞めて起業した。起業