1972年に大学院の修士課程を修了した私は、石川島播磨重工業(IHI)()に入社し、本社の船舶基本設計部に勤務した。 新入社員である私の机の上には、手回し計算機があった。ハンドルを回して内部の歯車を回転させることで、四則計算を行う当時の“コンピューター”である。それと一緒に、積み上げると30センチにもなろうかという分厚い2冊の冊子が机上に置かれていた。 1%数字がずれても納入できない 1冊は、IHIが明治以来、設計建造してきた2000隻余りの商船の要目表である。世界の海で活躍してきた船の1隻1隻について、その全長や幅などの基本データに始まり、試運転の結果、特記事項に至るまで、船の設計に関する数多くの重要データが事細かに掲載されたA3判の冊子である。 もう1冊は、設計ルール集。過去の実績に基づいた設計の経験則がルール化され、ぎっしりと詰まった冊子である。これらの冊子は、手回し計算機と計算尺、
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