(IDWR 2006年第26号) ヒトに寄生するシラミには、頭部に寄生するアタマジラミ(Pediculus capitis)、衣類に寄生するコロモジラミ(P.humanus)、主として陰毛に寄生するケジラミ(Pthirus pubis)の3種がある。シラミの種類と感染集団は特異性があり、アタマジラミ症は12歳以下の児童、コロモジラミ症は衣類の取替えなど保清行動が不自由な集団、ケジラミ症は性行動が活発な年齢層を中心に発生が見られる。 疫学 アタマジラミ症 アタマジラミの寄生は世界的にも子供に多い傾向が認められ、同一国内で人種による寄生率に差は認められていない。しかし頭髪の長さや性別に関係があり、同年齢の男児と女児の寄生率を比較した場合、明らかに長髪の女児にアタマジラミの寄生率が高い傾向がみられる。全体的にアタマジラミの寄生率には国、地方、幼稚園、小学校などの調査施設で大きく異なっているが、先