現代に蘇った「感じの良いヒトラー」が70年前と同じ主張を繰り広げる、興味深くも危険なベストセラー"Er ist wieder da" 凶悪犯の主張に思わず賛同している自分 著者ティムール・ヴェルメシュ(Timur Vermes)は同じ疑問を呈し、本の中で、それについての答えを模索した。彼は、南ドイツ新聞のインタビューにこう語っている。 「多くの人間がヒトラーに協力した。なぜなら、彼のことを素晴らしいと思ったからだ。それほど多くの人間が協力する気になったということは、彼はそんなに恐ろしい男には見えなかったのだろう。国民は気の狂った男など選ばない。魅力のある、あるいは、素晴らしいと思った人間を選ぶのだ。 なぜ国民がヒトラーを崇拝したか、その理由を誰も説明できないということは事実かもしれない。だからメディアはヒトラーを、恐怖政治で国民を支配した怪物か、あるいは、陰ではあざ笑われていた道化師に仕立