何年か前、筆者は毎日あえて同じ服を着るという実験をしてみた。一週間にわたり、同じダークグレーのTシャツとカーキのパンツで過ごした。周囲の人たちがそれについて何を言い、自分自身がどのような考えを持つか、試してみたいと思ったのだ。 自発的にその実験を開始したにもかかわらず、感じたのは別の服を着るべきだというプレッシャーだった。われわれの大半は、毎朝何を着るべきか考え、決めるように訓練されている。筆者も例外ではない。 だが、その1週間が経過しても、誰かが服について何か言うことはなかった。ほとんどの人は、それぞれ自分のことで手いっぱいだ。社会心理学者が呼ぶところの「スポットライト効果」を示すいい例だ。そして、この「沈黙」が筆者にもたらしたのは、「解放」だった。 ワードローブを最小限にしたい人、人生の「ユニフォーム」を見つけたい人、そしてただ消費を控えたいと思っている人に、この実験を試してみてほしい