2012/4/197:0 TTPで日本は世界一の農業大国になる 浅川芳裕 本書『TPPで日本は世界一の農業大国になる』はTPP賛成本でなければ、ましてTPP反対本でもない。そんな悠長で不毛な議論の対立にかまっている暇はない。 本書は実際的にTPPを活用する本だ。とくに日本の農業・食産業をどう発展させるか具体論を示す実践本である。ひいては、国民の食生活や日本経済、地域の雇用、所得をよくするための提言書でもある。 世に蔓延るTPP本とはわけが違う。 TPP反対派は「農業が壊滅する」、そして「食料が足りなくなる」と農業弱体化・運命論を主張する。対するTPP推進派は「農業政策の変更が必要」、その結果、「農業の構造改革が起こる」と農業社会工学的・運命論を展開する。どちらも同じ運命論者に変わりない。前者は、自らの空想に従って、農家がある日、全員廃業するような不吉な予感を勝手にばらまく占い師の類だ。後者