世界最薄のラップトップPC、Macbook Airをプレゼンするスティーブ・ジョブズ〔PHOTO〕gettyimages 巨額の赤字に苦しむソニー、パナソニック、シャープといった国内大手家電メーカーも「良いデザインの商品」を作る努力を行ってきたはずだ。ただアップルと違ったのは製品だけをデザインの対象としたことだ。 大企業のデザインセンター(あるいはデザイン本部)は、スティーブ・ジョブズのように企業全体のあらゆるデザインに関わることが出来るのか? それは残念ながらNOだ。なぜなら各事業部は縦割りで、権限が分離されているからだ。しかし、そういうルールを縦横無尽に破壊し「デザイン経営」を実現したのがジョブズだった。 「デザイン経営」という言葉はジョブズの活躍の後、たびたび聞くこととなった。さらに「デザイン・シンキング」という言葉も耳に馴染んできた。これらの一見新しい魔法ツールのようなデザイン観は