タイトルの通りなのだけど、家に帰るとなんだか落ちつく。 ひとり暮らしのまえは、部屋に帰ったら寂しい思いをするのかな、なんて思っていたけど、ぜんぜんそんなことはなかった。 エレベーターのないマンションだから、階段の昇り降りしなきゃならない。業者さんのおかげで掃除は行き届いているけど、築年数が古くて剥げてしまったコンクリートの廊下。 1DKの集合住宅は、子供の声も聞こえなくて、それぞれの部屋の窓には、まばらに明かりがついているけど、不思議と生活の匂いは感じられない。 自分の部屋まであがって、ドアにキーをさしこむと、この辺りから、もう便意がやってきて、はやくトイレに駆けこみたくてたまらない。 急いでカギを開けて、玄関でもどかしく靴を脱いだら、カバンを放り投げてトイレに駆けこむ。 「ふぅ…… 落ちつく……」 こんな風にして僕の時間は流れていく。 トイレの便座に座っていると、安らぎと平穏に包まれて、