【上海=白山泉】日本の永住権を持つ三十代の中国人女性が、生後間もない長男と帰省した湖北省武漢市に足止めされている。新型肺炎の感染拡大で同市が交通を遮断し身動きできない上、日本政府のチャーター機も日本国籍がないため搭乗できなかった。女性は本紙の電話取材に「未熟児で生まれた長男の薬はあと一週間ぐらいしか持たない」と焦りを語った。 関西地方で働く女性は一月中旬、春節(旧正月)休暇に合わせて武漢の実家に帰省した。日本で大学進学するために高校生の時に来日して以来、日本に約二十年住む。武漢では両親が初孫に会うのを楽しみにしていた。日本で学位を取った中国人の夫も、今は武漢で働いている。 昨秋に未熟児で生まれた長男は定期的な治療と服薬が必要だが、長男が服用する米国製の薬は中国では入手が難しい。女性は「一カ月分の薬しか持ってきていないので、あと一週間しか残っていない」と話す。 武漢の新型肺炎の死亡率は4・9