海外進出の停滞 なぜ、スタジオジブリですらやっていけないのか? この問題設定に対してもうひとつの論点をあげるならば、やはりそれはビジネスの面になるだろう。 周知のように、スタジオジブリは国内では爆発的ヒットを連発している。しかし、海外では日本ほどのヒットにはなっていない。「クールジャパン」の掛け声もありコンテンツ輸出は大きな注目を浴びているが、スタジオジブリですらそれに成功しているとは言い難いのが現実だ。 たとえば、アカデミー最優秀長編アニメーション賞も受賞し、国内では興行収入304億円の『千と千尋の神隠し』も、海外の総興行収入は3526万ドル(当時のレートで約44億円)にとどまる。他の作品では、『借りぐらしのアリエッティ』が3556万ドル、『崖の上のポニョ』が3718万ドル、『ゲド戦記』が488万ドル、『ハウルの動く城』が4518万ドルという結果だ。 もちろん日本映画がこれほどの結果を恒