前回・前々回に述べたような仕儀で本郷和人先生の武力理解について私の意見を弁明すべき状況に立ち至ったので、ずっと前に書きかけてほおってあったエントリを発掘する。以下の二冊に対して言及したもの。 本郷和人『武力による政治の誕生(選書日本中世史1)』選書メチエ、講談社、2010。 東島誠『自由にしてケシカラン人々の世紀(選書日本中世史2)』選書メチエ、講談社、2010。(いただきもの。ありがとうございます。) 「本郷派」と私が冗談で言っている(というのは3人が東大本郷勤務でお二人が本郷姓だからだが)方々によるシリーズの、冒頭2冊を読んだ時点での意見である。思い起こせばこのシリーズの前触れとなった特集が組まれたRATIOには私も(当然ながら別の特集だが)まぎれこんでいたのであった。ちょっと自慢。 まあそれは措いて、上掲2冊を読んで私が抱いた疑問を大きくまとめると、以下の2点になる。すなわち、 暴力