「事業仕分け」の映像は、なんだかものすごい。 ニュース番組の編集方針が、印象的な場面を連続再生する形式を踏んでいるということもあるのだろうが、それにしても強烈だ。 特に、各局のニュース番組が繰り返し紹介していたカット(蓮舫議員が「国立女性教育会館」の理事長さんを問い詰める一幕)は、アメリカの法廷ドラマ(←ただし低予算)みたいだった。 が、その場面を活字で再現しようとすると、うまくいかない。 「民間の利用はありますか?」 「あります」 「稼働率は?」 「私の話も聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外です」 ……と、文字にしてしまうとこれだけになる。 迫力を欠いている。 なんだか牧歌的なやりとりであるようにさえ読める。 というのも、私がテレビの録画から聞き取ったこの字面からは、あのやりとりのエッセンスがほとんどすべて抜け落ちてしまっているからだ。 具体的に、映像の言葉とテキスト
「派遣切り」という言葉が、いつの間にやらメディア頻出単語のトップに登り詰めている。 奇妙な言葉だ。 朝から何回も聞いていると、なんだかもやもやした気持ちになる。 「派遣を切ることのどこがいけないんだ?」 と、当方にそういう気持ちがあるからだろうか。 そうかもしれない。このもやもやは、「使用済みのペーパータオルを捨てたことを女房になじられた時の気分」に似ていなくもない。 「だってお前、ペーパータオルってのは、捨てるための紙だぞ」 「乾かせば使えるでしょ」 「乾かして使うくらいならはじめから布のタオルを使うんじゃないのか?」 「屁理屈言わないの」 いや、私は、派遣労働者が解雇されることを喜んでいるわけではない。彼らをペーパータオル視しているのでもない。 ただ、切られることがあらかじめわかっている者が切られつつある現今の状況に、しらじらしくもびっくりしてみせているテレビの中の人たちの口吻に、偽善
奥田碩元会長(トヨタ自動車元社長)に誘われたのが直接のきっかけでした。当時は小泉純一郎政権下。経団連は改革の旗手を担う組織でした。ただ、その後、会長が奥田さんから御手洗さん(御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長)に代わり、それからまた米倉さん(米倉弘昌住友化学会長)になるにつれ、どんどん風向きが怪しくなっていった。 辞めようと思った直接的なきっかけは、やはり震災後です。経団連は(電力の)発送電分離の話が出たときには早々に反対し、原子力発電所については早々と賛成であると表明した。「多分経団連ってそういうために作られたんだな」とその時、初めて分かりました。 経団連が言っていることがあたかも経済界の統一見解のように言う。だから僕は「そんなことないよ」と世の中にはっきり言いたかった。違う意見だってあるんだよ、ということですね。 「経団連は日本企業の護送船団方式を擁護する団体」 ツイッターで退会をほのめ
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