« 読了:小川・山本・宮田 (2014) 原発関連tweetに「沈黙の螺旋」は生じたか | メイン | 読了:「予測市場と集合知」特集号 (2010) » 2014年9月 9日 (火) ある方に「私は未読ですがこんな論文があるようですよ」とお知らせしたのだが(畏れ多くも)、よく考えてみると、自分が読んでない資料を紹介するのはいかがなものか。私の最初の指導教官ならば、穏やかに「いやあ私にはよくわかりませんが、それは少し無責任な態度といえなくもないかもしれませんね」と仰るであろう。先生は謙虚さを煮詰めて温和さでコーティングしてスーツを着せたような方で、自著の内容について質問された際も「いやあ私にはよくわかりませんが」と前置きしたという逸話が残っているほどであり、従って発言の真意を知るのは素人には困難なのだが、もし上記のような発言があればそれは厳しいお叱りの言葉なのだ。 すいません師匠、読みます
因子分析をする場合、方法として抽出法と回転法を選択する必要があります。 しかし、様々な抽出法・因子軸の回転方法があり、かつ、それらがどういうアルゴリズムで計算されているのかわからないことも多いと思います。最近いろいろ質問を受けることが多かったので、今回は因子分析の各種方法について少し解説します。 因子分析は統計手法の発展やコンピューターの計算能力によって、オーソドックスとなる方法がいろいろ変ってきました。昔の論文の因子分析といえば、ほぼ主成分分析+バリマックス回転でした。この方法は計算量が少なく、ほぼ確実に解が求まることがメリットです。1日かけて計算して、解が求まらなかったら悲劇ですからね。 次の流行は主因子法+バリマックス、場合によってはプロマックス回転、という感じだったように思います。90年代あたりの論文は、まだプロマックス回転も少ないです。 最近は最尤法+プロマックス回転が主流でしょ
■α係数と(標準)因子得点 2002.11.11. 作成 1. おかしい 今年(2002)の修論中間発表を聞いていて,気になったことが一つあります。それは,因子分析の後のデータの扱いについてです。因子分析を行って,単純因子構造を求めるために,項目の選択を行う。そして最終的に出てきた因子を説明するのに,負荷量.4以上の項目を四角で囲んで表示し,α係数を求める。そしてその後の分析のために,因子得点(標準因子得点)を算出する。これはちょっと手続きとしておかしいのです。 なぜおかしいかというと,α係数を求めたり四角で囲むのは,項目の素点を単純に合計して尺度得点を算出するときのやり方であって,因子得点で分析するなら,こういう手続きは不要だし不適切だからです。 2. 合計得点の考え方 今,30項目の質問紙があったとして,因子分析の結果3因子が抽出されたとしましょう。このとき,因子1に高い負荷量を示す項
尺度を作った時など、因子分析で因子をいくつ抽出すればいいか悩むことがあるかと思います。 因子分析の因子数決定には、従来では以下のような基準が定番でした。 ガットマン基準:固有値が1以上の因子を採用する スクリー基準:固有値の大きさをプロットし、推移がなだらかになる前までを抽出する 寄与率が50~60%以上になる因子数を採用する 解釈が可能な因子構造を採用する 1のガットマン基準が最も使われていると思われますが、この方法は最近ではあまり良い方法とはみなされてはいないようです。もしデータが母相関行列であるならこの方法は適切ですが、実際のデータには誤差が含まれるので多すぎたり少なすぎたりする因子数を提案してしまいます。 この記事では、因子数決定に使える基準について述べます。 興味のある人は続きを読んでください。 因子分析は少数の因子によって、変数の相関関係を説明する方法です。 つまり、何因子用意
2015/01/24追記: 現在のバージョン psych 1.5.1 では、Heywood case が検知されると Warning が出るようです。 とのこと、はてブコメントにてお知らせいただきました。コメントを下さったid:hoxo_m様、ありがとうございます。 したがって表題の問題は、最新バージョンでは発生しないものと思われます。 ただ古い文献などにはこの問題が載っている可能性があること、また別の問題の解決に役立つ可能性があることを考え、本記事は残しておきます。 本題 Rのpsychパッケージに含まれるfa関数で最尤法による探索的因子分析を行うと、本来不適解(Heywood Case)になるようなデータであっても不適解が発生しないようです。 不適解とはつまり、因子分析の結果、いずれかの独立変数の共通性(communarity)が1を超えることを言いますが、fa関数で因子分析を行った場
因子分析(factor analysis)は、多くの変数により記述された量的データの分析方法として、1904年にスピアーマン(Spearman)によって提案された。 因子分析で扱うデータの形式は主成分分析と基本的には同じであることから、同じ場面に利用されることが多いが、手法の開発の出発点は全く異なる。 主成分分析では、変数の間の相関関係を用いて、無相関の合成変数を求めることで多くの変数を少ない変数に縮約するが、因子分析は、変数の間の相関関係から共通因子を求めることで、多くの変数を少数個の共通因子にまとめて説明することを目的としている。 因子分析は、観測データにおける変数の間の関連成分をまとめたものを共通因子(common factor)と呼び、他の変数と関係がなく、その変数のみ持っている成分を独自因子(unique factor)と呼ぶ。因子分析では、観測データはお互いに関連性を持っ
因子分析について 細かいことを書いていますが,個人的に一番大切だと思うことは,「2.(0) 何よりもまず押さえておくべきこと」です.ある程度分かっている方は,その部分だけ読んで頂いてもいいと思います. 1.因子分析の手順と様々なパラメータの意味 因子分析。心理学をやっているなら、そして質問紙調査をやるのなら、必ず一回はぶつかる壁でしょう。そのやらんとするところは分かるのだけれども、出力が多すぎて何を見たらいいか分からない。回転って何? 共通性の推定値? よく分からないからこそ、統計ソフトのなすがまま、デフォルトの設定で行っている人も多いでしょう。この章では、そのような因子分析に関し、分析が行われる手順をできるだけ平易に解説しながら、様々な言葉の意味を記述していきたいと思います。 (1)測定変数の相関行列を求める: 因子分析を行う時、最初に行われるのは、測定変数間の相関行列(もしくは
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