コミュニケーションが苦手な奈良県下市町の大学3年、ペンネーム・音橋綺人(おとばし・あやと)さん(21)が「詩集 遺伝子 言葉と心の化学反応」(文芸社、1000円)を出版した。高校2年でアスペルガー症候群と診断されてから、孤独や希望への熱い思いをつづった詩40編を収めた。音橋さんは「障害を抱えながらも、自分と向き合う等身大の姿がここにある」と詩集を紹介している。 アスペルガー症候群は広汎性発達障害の一つで、相手の気持ちが理解しにくいなどが特徴。知的能力にはまったく関係がなく、得意分野で力を発揮する人もいる。 母親(48)によると、音橋さんは2歳の時に駐車場の車のナンバープレートで数字とひらがなを覚え、「天才かと思った」という。 しかし、周囲とはうまくなじめず、中学2年の時、担任から「本人がいじめられていると言ってきた。気を付けてほしい」と連絡を受けた。医学書などを調べ、アスペルガー症候群を疑