【ワシントン=本間圭一】ブッシュ前米大統領は9日、2001〜09年の8年間の大統領在任時を中心に半生を振り返った回顧録「ディシジョン・ポイント(仮訳・決断の瞬間)」を出版した。 この中で、前大統領は03年1月、中国の江沢民国家主席(当時)に対し、北朝鮮が核兵器開発を継続すれば、日本の核兵器開発を止められないと伝えていたことを明らかにした。 また、翌2月には、同国家主席に対し、外交的解決が不可能な場合は、北朝鮮に対する軍事攻撃を検討する必要があるとも伝えていた。 前大統領の日本の核武装容認発言は異例で、中国が嫌う日本の軍拡や、対北攻撃の選択肢を示すことで、北朝鮮の核放棄に向け、中国の積極的な関与を引き出す狙いがあったとみられる。