屋根裏で育ったアライグマ=兵庫県森林動物研究センター提供 この記事の写真をすべて見る 東京都内で、特定外来生物のアライグマの目撃や被害が急増している。「屋根裏に住み着いた」など、23区内の住民からの相談は、この8年で40倍以上になった。アライグマは農作物への被害だけでなく、有効な治療薬がなく、死亡率が高い感染症を引き起こすウイルスを媒介するおそれがある。しかし、「自治体も住民も危機感がない」と、専門家は警鐘を鳴らしている。 【写真】感染症とともに民家に接近するアライグマはこちら * * * 東京・足立区の親類の家に住み始めた男子大学生はある日、押入れの奥の壁が破られ、穴が空いているのを見つけた。 なにげなく穴をのぞき込んだ学生が見たのは、暗闇の中で光る、正体不明の動物の「目」だった。 驚いた学生は区役所に相談。仕掛けたわなで捕らえられたのは、2頭のアライグマだった。 足立区には20