2014年3月期決算で、3年ぶりに黒字化を達成したパナソニック。津賀一宏社長による「中村邦夫会長(現相談役)-大坪文雄社長時代」の負の遺産を整理し、住宅事業と自動車事業に経営リソースを集中させる戦略が今のところ奏功しているように見える。完全復調とはいかないものの、相変わらず似たようなリストラを繰り返して赤字から抜け出せないソニーと比較して回復ぶりが際立っている。 パナソニックは昨年9月1日付という異例の時期に実施した役員人事と、続く今年4月1日付の人事で「中村-大坪時代」から残る目立った評価を上げていない役員をほぼ一新した。その象徴的な人事が、広報や宣伝を担当していた鍛冶舎巧専務の更迭だ。昨年9月1日付人事で広報・宣伝担当専務から、大阪府枚方市にある「運動場の管理人」といわれる部門に異動し、今年3月末で役員も退任。事実上の「クビ」と見られている。 鍛冶舎氏は中村邦夫社長時代に労政部長を歴任