公開日:2019/09/06 最終更新日:2019/09/02 Google検索で遅延型フードアレルギー検査について調べると、上位記事の多くに、「うちでは、あえて検査をおすすめしていません」という内容が書かれています。 しかし、別のサイトでは「検査は有用だ」と書いた記事もあり、検索を進めるうちに、どちらが本当なのか分らない…と不安になってしまった方も多いのではないでしょうか。 この記事では、それぞれの立場の意見をまとめ、結局のところ何が問題なのかと、遅延型フードアレルギー検査の持つ「本当の意味」についてお話しします。 「遅延型フードアレルギー検査」に意味がないという先生の意見 一般的な病院で受ける「即時性フードアレルギー検査」では、IgEを測定し、アレルゲンを調べます。 それに対し、「遅延型フードアレルギー検査」ではIgGを測定します。 IgGは、食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗
抗ヒスタミン薬は歴史の深い薬です。耳鼻科領域、皮膚科領域、小児科領域などで広く使用されています。また、患者様は他科受診で重複するような場面を多く見受けられますが、元来、抗ヒスタミン薬を使用していても抑えられないアレルギー症状が発現し、他科を受診しているような症例では、ほとんどの場合抗ヒスタミン薬の併用療法は問題ありません。 また、少なくとも私が業務をしている薬局ではレセプトも問題なく通っています。 神経鎮静症状の発現リスクが高まることは気をつけておきたいところですが、現在臨床現場で汎用される抗ヒスタミン薬は脳内H1受容体占有率が低く、効果発現スピードが早く、患者の自覚症状改善スコアが高いものが多く出回っています。 これらの併用では、原則構造タイプが異なれば問題はないようです。 また、最近改定された蕁麻疹治療ガイドラインでは、基礎薬物治療として第2世代非鎮静性抗ヒスタミン薬の単剤使用及び2倍
強制的にビーガンにさせられるかもしれません。 米国のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)はマダニに刺されることで牛や豚など哺乳類の肉や乳製品を食べられなくなる「アルファガル症候群」が増加していることを受けて、医師たちの症例にかんする知識を調査しました。 結果、調査対象となった医師のほぼ半数がアルファガル症候群について知らず、発症した場合に適切な処置を受けられない可能性が示されました。 今回はマダニに刺されるだけでなぜ「肉類」を食べられなくなるのかを解説するとともに、治療法の有無や予防策についても紹介したいと思います。 肉好きやアスリートにとって致命的となるマダニは、いったいどこに潜んでいるのでしょうか? 発表内容の詳細は2023年7月28日にCDCのホームページにて公開されました。 Health Care Provider Knowledge Regarding Alpha-gal Sy
花粉症、薬が効かない、どうすればいいの? 環境省の予測では関東地域では、花粉の飛散する量、また飛散開始時期は今のところ例年並みという予測です(第1報)。1月下旬には第2報がでますが、敏感な人はもうすでに自覚症状が出始めています。 薬を内服して血中濃度が一定になる(定常状態に至る)には、薬の半減期の4~5倍の時間がかかり、その間薬を決められた用法で内服しないといけません。例えばアレグラの場合、半減期が9.6時間なので、その4~5倍、すなわちほぼ2日間、1日2回内服することで体内の薬の濃度が安定した状態になるわけです。 抗ヒスタミン薬は、細胞にある受容体にあらかじめ結合することで、ヒスタミンの機能をブロックして鼻症状を抑え込みます。細胞がヒスタミンで一旦刺激されてしまうと、鼻症状が出始めてしまい、後から血中濃度を上げても効果が弱くなります。飛散開始する数日前から内服を初めて、あらかじめ受容体を
本学医学部 皮膚科学講座 博士研究員 久保良美 兵庫医科大学 皮膚科学講座 主任教授 金澤伸雄 本学 産官学連携推進本部 学長特命教授 倉石泰 (オンライン参加) 獨協医科大学 小児科学講座 主任教授 吉原重美 発表資料データダウンロード 資料(PDFデータ) 和歌山県立医科大学皮膚科学講座 (教授: 神人 正寿) 博士研究員 久保良美らの研究グループは、兵庫医科大学、獨協医科大学、高槻赤十字病院と共同研究を行い、日本人の学齢期の子供とその親を対象に大規模な疫学調査を実施し、「乳児期の唾液接触と学齢期のアレルギー発症リスク低下との関連性」 をアジアで初めて明らかにしました。 研究概要 近年、小児のアレルギー疾患が増加し、その予防対策が急務となっています。2013年に発表されたHesselmarらのスウェーデンにおける出生コホート研究は、乳児期の親の唾液によるおしゃぶりの洗浄を介した親から子
50~60年前から日本ではアレルギー疾患が増えてきていて、先進国では半世紀ぐらい前から増えてきています。最初の頃はぜんそくが主役で、それからアトピー性皮膚炎、そして現在は食物アレルギーが主役になりました。食物アレルギーがある意味パンデミックとは言いませんが、いわゆるエピデミックですね。 食物アレルギーが急増したと認識されるのは21世紀に入ってからです。20世紀の終わりの頃はぜんそくやアトピー性皮膚炎が多かったですが、ぜんそくは治療薬の向上で入院する患者が激減し、亡くなる子供は数年前からゼロになっています。また、アトピー性皮膚炎も昔のように重症の患者は減ってきています。一方で、21世紀になって食物アレルギーは増えてきており、今がピークと思われます。 食物アレルギーの患者数は調査の方法によってずいぶんと異なるので難しいですが、日本で行われた代表的調査のエコチル調査(日本で10万組の子供たちと両
食物アレルギーの血液による検査は、一般的に『IgE抗体』で行われます(IgE抗体に関して知りたい方は、『夏に多い”青身魚のうそアレルギー”とは?』を御覧ください)。 しかし、『IgG抗体が陽性だから除去食』という指導を受けて受診される方が少なからずいらっしゃいます。 たとえば患者さん(私の場合は小児科なので保護者さん)は、こんなふうに事情を説明されます。 『前のクリニックからは、IgGが陽性だとアレルギーだから除去しましょうと言われました。でも、除去するのは大変で…。いままで食べてましたし。どうしましょうか?』 実は、食物の除去食を考える上で食物に対するIgG抗体を検査することは、日本だけでなく、欧州も米国でも、一般に推奨されていない方法です(※1、2)。 イラストACなどから筆者作成(※1)Journal of Allergy and Clinical Immunology 2010;
東京都福祉保健局東京都アレルギー情報navi.のデータによると、今シーズン(1月4日から4月4日まで)、東京都千代田区のスギ花粉とヒノキ花粉合計の累積値は、2860.6個/㎠です。予測最大値(スギ・ヒノキ合計)は、5800個/㎠で、まだ予測の5割程度しか飛散していないことになります。 12日は、広く日差しが届き、季節先取りの気温でしょう。花粉の飛ぶ量は、九州から東北で「非常に多い」所が多くなっています。13日は東海や関東、東北で「非常に多い」でしょう。 14日から15日は広く雨が降り、九州から関東では、花粉の飛散はおさまりそうです。ただ、東北では「非常に多い」でしょう。 16日はこの時期としては気温が低くなる所もありますが、雨あがりで花粉の飛散が増える所があるでしょう。東北では引き続き「非常に多い」見込みです。 17日は東北や関東、東海で「非常に多い」でしょう。
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市販の抗ヒスタミン薬の服用でコロナ後遺症「ロングコビット」の症状が改善した症例が報告された Shidlovski-iStock <新型コロナの初期症状から回復した後も倦怠感などの後遺症に苦しむ人々は多いが、市販の抗ヒスタミン薬で症状が改善した症例が発表された......> 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初期症状から回復した後も、頭に靄がかかったような状態に陥って思考力や集中力が低下するブレインフォグや関節痛、倦怠感、運動耐容能低下などが数カ月にわたって続く症状を「ロングコビット」または「PASC(新型コロナウイルス感染急性期後の後遺症)」という。現時点で標準治療はなく、ロングコビットに苦しむ人々は2021年8月時点で約5400万人と推定されている。 ブレインフォグや倦怠感、胸痛などがほぼ解消された 米カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の研究チームは、2022年2月7日
オリゴ糖の名前です。ただし、ほとんどの乳糖は牛乳を原材料として作られているため、乳糖1g中に数マイクログラム(100万分の1グラム)の牛乳タンパクが混じっている場合があります。食品中の乳糖で反応する牛乳アレルギーの人はごくわずかしかいませんので、除去が必要かどうかは主治医とよく相談して下さい。 小麦・米アレルギー 小麦アレルギーは、卵・牛乳に次いで多い食物アレルギーです。ただし、IgE抗体が陽性であっても症状のないことも多く、正確な診断には食物負荷試験が欠かせません。また、IgE抗体価とアレルギー症状の強さもほとんど関係なく、どの程度まで除去をする必要があるかを診断するためにも食物負荷試験が必要です。 即時型小麦アレルギーの多くは、小麦とライ麦・大麦・オート麦などには交差反応します。米やその他の穀物には反応がありません。 その他の雑穀に含まれるアレルゲンは、ほとんどが穀物に共通の成分であり
コロナ禍で、感染対策のための手袋をする方が増えました。 そして、手袋で手荒れがすると思うと聞くことがあります。よく確認をするとラテックス(天然ゴム)製の手袋をしている…ということも少なからずあります。 ラテックスによるアレルギーに関しては、聞いたことがある方も多いかもしれません。では、ラテックス製でなければ、かぶれることはないのでしょうか? 実は、ラテックス製から別の材料の手袋に変更しても、かぶれてしまう原因はさまざまにあります。 そこで今回は、感染予防対策のための手袋の素材に関して、アレルギーの視点から簡単に解説してみます。 ラテックスアレルギーは、1980年代から注目され始めた イラストAC ラテックスアレルギーの話題は、1980年代の米国でエイズの拡大からパニックがあったことに端を発します。 エイズへの感染対策に対しラテックス手袋の消費量が増え、ラテックスタンパク質が多く残る低品質の
国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)アレルギーセンターの大矢幸弘センター長と東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 村田幸久准教授らのグループは、食物アレルギーの検査や治療効果に有用な新しい侵襲(研究対象者の身体に負担が生じること)のない検査法(尿中のPGDM:プロスタグランジンD2の代謝物測定)の臨床研究を行いました。 この研究では、国立成育医療研究センターで卵、牛乳、小麦に対して二重盲検食物経口負荷試験(食物の性質を、医師からも患者からも不明にして行う方法)を行った子どもと、鶏卵の経口免疫療法を行っている子どもを対象に、尿中のPGDM(プロスタグランジンD2の代謝物)を東京大学大学院農学生命科学研究科で測定しました。その結果、負荷試験でアレルギー症状が誘発された際に尿中PGDMは上昇しました。さらに食物アレルギーの治療で少しずつアレルゲン
執筆者:Kristle Lee Lynch, MD, Perelman School of Medicine at The University of Pennsylvania この病気は食物アレルギーが原因である場合があります。 小児の場合は、食事を拒んで体重が減少することがあり、成人の場合は、食道に食べものがとどまったり、嚥下困難が生じたりすることがあります。 診断は内視鏡検査と生検のほか、ときにX線検査の結果に基づいて下されます。 治療としては、プロトンポンプ阻害薬やコルチコステロイドの投与、食習慣の変更、ときに食道の拡張などを行います。 食道は、のど(咽頭)と胃をつないでいる管状の臓器管です。(食道の概要も参照のこと。) 好酸球性食道炎は、乳児期から若年成人期までのあらゆる時期から現れる可能性があります。ときには高齢者に発生することもあり、男性に多くみられます。 好酸球は白血球の一
太田理会/アヴェニュー 六本木&表参道 クリニック ドクター:藤田医科大学医学部卒、藤田医科大学ばんたね病院、福井県済生会病院にて研鑽を積む。皮膚科、美容皮膚科が専門。丁寧なカウンセリングを通じて患者の悩みに正面から向き合うよう努めている 昨年から続々と登場しているヘパリン類似物質を配合した製品。もともとは処方薬(医療用医薬品)である血行促進・皮膚保湿剤「ヒルドイド(成分名:ヘパリン類似物質)」を美容目的で処方使用する人が増加し、医療費圧迫につながると社会問題になったことで注目された成分だ。そこでアヴェニュー 六本木&表参道 クリニックの太田理会ドクターに取材し、そもそも「ヘパリン類似物質」とは何か?といった基本情報から、各社から出ているヘパリン類似物質配合製品を選ぶ際のポイントや注意点などについて聞いた。 WWD:ヘパリン類似物質はどんな働きがあるのか? 太田理会アヴェニュー 六本木&表
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