ノーベル賞受賞者には、愛妻家が多い……日本人受賞者が増えるたびにそう思う。おそらく日本という国では、公の場で“夫婦同伴”を目にする機会が少なく、それがノーベル賞の受賞式ではまとめて見られることが、そう言われるひとつの要因になっているのだ。 しかも日本のマスコミは決まって家族にスポットを当て、夫婦のなれそめまでを追いかける。こういう報道については批判的な見方もあるが、正直言って興味深い。見事にユニークな夫婦関係が多く、多少の演出を差し引いたとしても、やっぱり受賞者が愛妻家であるケースは少なくない気がするからなのだ。 ただ、そう見えるのも、近年の日本の受賞者は“理系の人”ばかりだから。理系の中でも、圧倒的な理系脳を持つ人たちばかりだから。 生物学的な見地からすれば、理化学系の研究者は良い意味で、“子供の心”を持ち続けるという。常識や既成概念にとらわれずに、自らの好奇心に忠実に生き、結果的に奇想