岩波ホールの入る岩波神保町ビルの出入り口を行き交う人たち=東京都千代田区で2022年7月29日、三浦研吾撮影 昨夏、東京・神保町の映画館「岩波ホール」が約半世紀の歴史に幕を下ろした。映画を文化と位置付けて上映してきたミニシアターの草分けで、その閉館は「日本の文化芸術の敗北」と言われた。ミニシアターをはじめ、住民に愛されてきた街の映画館が次々に姿を消している。1960年に全国に7000館以上あった映画館は今、600館を下回り、全国の市町村の約8割は「映画館のない街」だ。 連載「ぐるっと東日本・映画館のある街」はこちら 国内の映画館事情をまとめた「映画上映活動年鑑」によると、2022年時点でミニシアターは全国に136館。この1年間でも東京都内や大阪、名古屋などの老舗劇場が相次いで閉館・休館を発表している。 年鑑を発行するコミュニティシネマセンター(東京都渋谷区)の岩崎ゆう子事務局長は「日本で公