不正融資の「負の遺産」 「かぼちゃの馬車」などシェアハウス向け不正融資問題に揺れたスルガ銀行(本店・静岡県沼津市)創業家の一人、故・岡野喜之助氏(岡野光喜・スルガ銀行元会長の実弟)の遺族が「ヴァンジ彫刻庭園美術館」(一般社団法人、同県長泉町)存続を静岡県に求める申し出に、川勝平太知事は前のめりだ。 スルガ銀行が創業家との関係を断ったことで、同美術館の運営は大幅な赤字に転落、閉鎖も余儀ない状況に追い込まれている。民間の引き取り手はなく、喜之助氏の遺族は苦肉の策で敷地、建物等を“無償譲渡”する前代未聞の「民設公営」を川勝知事に求めた。 ところが調べていくと、ヴァンジ美術館の所蔵品や駐車場などが、創業家関連がらみの法人やスルガ銀行から同美術館に貸与されていることが明らかになった。 創業家関連企業への不正融資を調べたスルガ銀行の報告書(2018年)は、一連の不正を当時の副社長だった喜之助氏(201