靴は生きた素材であることを忘れてはならない。死に絶えることなく、いつまでたっても生き物のように、履く人と一体化するものである(レオナルド・フェラガモ) レオナルド・フェラガモは世界的有名なブランド「フェラガモ」の創設者、サルヴァトーレ・フェラガモの次男。彼は、もっとも腑(ふ)に落ちる言葉を残したのではないでしょうか。 私は、男性ファッションを勉強するときにメンズ雑誌を手に取ることが多いのですが、雑誌の情報よりもっと根本的なことを学びたいときは、服飾評論家である落合正勝氏の『男の服装術』(PHP研究所)という本を読みます。“靴”についての章の中で、落合氏は靴についてこう記しています。 磨いていない靴を履いている人は紳士ではない。ピカピカに光った靴は目立ちすぎる。鈍く光った重厚な靴を履いている人こそ紳士である。 人にはそれぞれ価値観がありますが、私の知る限り、トップと呼ばれる人たちに共通するの