東日本大震災と津波で壊滅状態となった岩手県内の被災地も、市役所や町役場のある市街地は、携帯電話が通じるようになった。だが、各携帯電話会社が「ほぼ復旧した」とする中、半島部や山間部の一部集落では、「電波が弱くて困っている」という場所が、震災発生から4カ月半を経過した現在でも存在していた。(鎌田剛) 岩手県宮古市の南部、三陸海岸の中で最大の半島となる重茂(おもえ)半島でも携帯電話が通じにくい。重茂漁港の近くでがれきの片付けをしていた20代女性は「私はauだけど、3週間も通じなかった」と不便だった震災直後を振り返る。「じっとしていても圏外になったり、(電波表示が)3本立ったり。今はようやく普通につながるようになった。漁協の建物には電気は来ても携帯がつながらないので安否を伝えることができなかった。道路が少し通じるようになってから、車で宮古方面に走って、電波を見つけた」と、電話をかけるには自ら動く必